作業療法士パパッキーの木

精神科勤務の作業療法士! 経験を活かして医療、介護から生活で使えるちょっとしたコツなど紹介していきます。皆さんにとって有用な情報が届けばと思います!

ブログへようこそ
今回の記事の内容が役立つものであれば幸いです

精神科

前回、精神科患者のやる気を出す方法として

お菓子で釣る
という作戦を紹介しました

他にも外発的動機付け
アンダーマイニング効果と紹介してきました

今回は

外発的動機付けから生じるアンダーマイニング効果への対策例を紹介していきます
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やる気のない患者にまずやるべきことは
きっかけ作りが必要です
そのきっかになるのが前回紹介したお菓子作戦です
つまり外発的動機付けがきっかけとなり活動に関心を持つ
第一歩を踏んだという事になります


しかしこれではお菓子が目的になってしまい
お菓子が無いと活動に参加しなくなる可能性が生じます
つまり、報酬が約束されないと活動への意欲が下がってしまう
アンダーマイニング効果が起こってしまうのです


では、どうすれば良いのでしょう


実はこのアンダーマイニング効果がをうまく利用する方法があるのです



それは




物による報酬から言語的報酬に変更していくのです

言語的報酬とはつまり

褒める!

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褒めると言ってもただ褒めるのではなく
特別な状況で褒めることがポイントになります

例えば
他者の前で特別感を出す褒め方をする


ゲームで対象者が得点した際、集団の前で進行スタッフなどが
「今の〇〇さんの動きは他の人には真似できないね」
「今日の動きが良かった賞は〇〇さんです」

など何か良い場面が見られたら全員の前で褒めることが大事になります

この言語的報酬によりやる気が出ることを

エンハンシング効果

といいます

なんだかパワーアップしそうな名前ですね


このエンハンシング効果をうまく使うことで
アンダーマイニング効果によるデメリットをメリットに変えることが出来るのです

特別な状況で褒められる経験は誰しも良い気持ちになるものです
この経験を積み重ねていくことで
お菓子によって釣られて参加した対象者も
徐々に活動そのものに関心や楽しみをもって参加し
活動参加の目的も
お菓子から活動そのものに変化していくという事になります

筆者もこのエンハンシング効果を使った褒め方を利用していますが
多用し過ぎると調子にのる患者もいるので
ほどほどにしています

すべての患者に使えるとは限りませんが良い方法だと思うので
実践してみてください

方法のコツやポイントなど質問頂ければお答えしたいと思っています


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日々リハビリに勤めている
作業療法士や理学療法士
または介護士や看護師の皆さんは

やる気のない患者
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にモヤモヤしたり
何とかやる気を出させたいという経験をした事が少なからずあると思います

特に精神疾患を患っている患者に対してやる気を出してリハビリや
日常生活を行うきっかけを作るのは難しいと感じる方は多いでしょう


もちろん患者さんの症状や病期によって差はあるので一概に
全員に効果があるとは言い切れませんが
筆者の経験を踏まえ
やる気の低い患者にやる気を出すきっかけ作りを紹介したいと思います

まず長期入院に至っている患者の多くは受け身の姿勢でいることが圧倒的に多いです
なかには「何もしないで上げ膳下げ膳の生活で満喫している」と話す患者もいました
そんな患者もあることをきっかけに継続して作業療法に参加するようになりました


そんなやる気の無い患者にやる気を出した方法とは・・・



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お菓子で釣る です・・・

冗談ではなくこれがきっかけになりました


やる気の無い患者さんにどれだけリハビリの必要性を伝えても
「生活で困っていることなんてない」 現実検討不足
「やろうと思えば何でもできる」 自身の過大評価
「何かやろうとすると調子が・・・幻聴が・・・」 都合の良い幻聴の出現

など何かと理由をつけて活動への第一歩が踏み出せない患者が多く
一度参加すれば何とか繋げられるのにと感じていました

そこで
「作業療法に参加したらお茶菓子出しますよ」と話したところ
ついさっきまで不調だった患者もケロッと
「なら行きます」と参加したのです

このように
何か物や報酬で釣ってやる気を出すことを

外発的動機付け と言います
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皆さん感じていると思いますが
この外発的動機付けだけではその場は良くても
継続して何かしらの報酬がない限りやる気は維持されません
まさにもろ刃の剣な作戦です

この外発的動機付け (お菓子作戦)
を導入する際に気を付けなければいけないのが


アンダーマイニング効果 です

アンダーマイニング効果とは

例えば

日頃ボランティアに意欲的に参加していたスタッフに対して
金銭を支払うと
そのスタッフは次回以降無償でのボランティアへの意欲が下がる 

という事です


外発的動機付けだけでは目的がお菓子になってしまい作業療法の本来の治療目的とは変わってしまいます

では、せっかくお菓子を餌に作業療法に足をのばしたやる気の無い患者に
どうすれば継続して意欲的に参加するようになったのでしょうか

次回は外発的動機付けからアンダーマイニング効果への対策からやる気を出した手法を紹介していきたいと思います


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